2月1日から始めたクラウドファンディングも折り返し地点を過ぎました。今のところ,いただいた支援は4割を超えたところです。「すだち」が発行される時には,何割までいっているのでしょうか...。
ぜひ,こちらのプロジェクトページを見ていただき,趣旨に賛同いただけましたら,ご支援のほど,よろしくお願いします。
■クラウドファンディング「図書館をただの倉庫にしない!古地図をデジタルデータ化して、資料の「保存」「一般への公開」という図書館の役割を果たしたい。」のページはこちら
→ https://otsucle.jp/cf/project/1825.html
さて,そんな最中の3月1日(金),学内で開催された「GISシンポジウム」で,当館のデジタルアーカイブについて発表する機会をいただきました。
テーマは,「古地図GISの世界」。GISとは,地理情報システムのことで,カーナビやGoogle Mapなどの元になるデジタルマッピングの仕組みです。
このGISを古地図に応用することで様々なことがわかるのだそうです。
実はこのシンポジウムは,当館の高精細デジタルアーカイブの構築を牽引していただいた,平井松午先生の最終講義でもありました。
そして,平井先生はこの「古地図GIS」という新しい分野を開拓された第一人者なのだとか。その研究資料として重要な役割を果たしたのが当館のデジタルアーカイブだった,というのを,恥ずかしながらこのシンポジウムで初めて知りました。
シンポジウムでは,そのデジタルアーカイブの構築の歴史について発表しました。また,そこからさらに発展した「伊能図学習システム」について,塚本章宏先生から発表していただきました。
伊能図学習システムはこちら
→ https://www.lib.tokushima-u.ac.jp/~archive/inohzu/
当館のデジタルアーカイブは,他の機関よりも取り組みが早く,約20年にわたり改良しながら発展していますが,デジタル化には費用がかかるため,デジタル化できていない資料がまだまだたくさんあります。
シンポジウムでは,古地図GISは景観復元に応用できるというお話もありました。
また,上勝町の「樫原の棚田」は文化財「重要文化的景観」に指定されていますが,その選定理由として「古地図GISの活用により,江戸時代の地図と現在の地図の照合が可能であり,200年以上もの間,土地利用形態がほとんど変化していないことが示された」ことがあげられているとのご紹介もありました。
このような例を聞いて古地図GISを身近に感じると共に,研究の基礎資料となる古地図・絵図をデジタル化する意義と必要性を改めて感じた次第です。
もちろん,シンポジウムの会場でも,クラウドファンディングについて紹介させていただきました。このような機会を与えていただいた平井先生,塚本先生に感謝します。
先生方の研究のための基礎資料として,また一般の方の様々な活用のために,クラウドファンディングを達成したいと思います。
みなさまのご協力を,どうぞよろしくお願いいたします。