【す だ ち】徳島大学附属図書館報 第100号
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◇新任のご挨拶

徳島大学附属図書館長 福井義浩 
(大学院ヘルスバイオサイエンス研究部教授)

4月1日付で徳島大学附属図書館長に就任しました大学院HBS研究部(機能解剖学分野)の福井義浩です。就任に際して一言ご挨拶申し上げます。附属図書館は、学術情報の提供と膨大な図書情報の保存・管理を担う大学の教育・研究を支援する基盤組織の一つに位置づけられます。改修工事は本館に引き続き蔵本分館も完了し、館内の居住環境は大幅に改善されました。今後は、学部学生、大学院生、教職員の方々に優しい図書館作りのために全力を尽くす所存です。皆様のご支援・ご協力をお願い申し上げます。

大学附属図書館としての機能の充実と拡充

大学図書館の役割は、時代と伴に変化しているとはいえ、最も重要なのは教職員・大学院生の研究支援と学部学生への学習支援です。電子ジャーナルの普及により研究者が図書館に足を運ぶ頻度は激減しましたが、学術情報の発信基地としての役割は従来よりも増しています。情報化推進センターとの協力体制、大学図書館コンソーシアム連合の利用による電子ジャーナル購入経費の削減等、今後改善しなければならない事項は多々あります。一つずつ解決していきたいと考えています。また、学部学生が日常的に利用する学生図書(学習用教科書、参考書)は古いものが多く、新刊の図書は種類、量ともに不足しています。学生の経済的負担を減らす意味でも図書館に於いて新刊の学生図書を充実しなければなりません。

貴重資料「近世古地図」の保存と高精細デジタル化

附属図書館には、200点を超える古地図類が貴重資料として所蔵されています。その内訳は[徳島]55点、[全国]20点、[諸国]49点、[江戸]44点、[京都]16点、[世界]17点です。これらの資料は、総合科学部平井松午教授の協力で「貴重資料デジタルアーカイブ」として附属図書館ホームページで提供されています。貴重な資料であるため、国内だけでなく海外からの照会も多くなっています。徳島大学にしか収蔵されていない資料も多数所蔵しており、さらに広く社会に発信できるようにデジタル化を推進する必要があります。

本館と分館の運用の一体化

本館と分館のリニューアルも完了し、館内の居住環境は格段に良くなりました。これまで本館と分館の運用は別々でサービスも異なっていましたが、それぞれの利点を取り入れて利用者に優しい、特に学部学生の学習支援に重点を置いた図書館づくりを目指したいと考えています。

徳島市立図書館との連携協力

平成25年3月11日に徳島市立図書館との連携協力に関する協定書を締結しました。公営図書館と大学附属図書館は、設置形態も対象とする利用者も異なりますが、今後は各々が得意とする領域で協力して、学生・市民に新たな分野の書籍への興味を喚起したいと考えています。徳島大学教員が選定した「新入生にすすめる私のこの一冊」については、既に市立図書館でも閲覧できるようになっています。

大学附属図書館は、すべての書籍を収蔵する国立国会図書館のミニチュアではなく、一般市民を対象として一般書から専門書までを扱う公営図書館でもありません。大学附属図書館の重要かつ本来の役割は、大学の構成員である教職員と学生の教育・研究支援であることを最後に強調したいと思います。


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