蜂須賀家家臣団家譜史料データベース

「蜂須賀家家臣団家譜史料データベース」公開にあたって

元徳島大学附属図書館長 石川 榮作

 徳島大学附属図書館には、江戸時代に阿波・淡路両国を支配していた徳島藩及び蜂須賀家関係の史料が収蔵されています。これら史料の保存と公開を両立する手段としてデジタル化事業に着手、平成11年の「近世古地図・絵図コレクション」高精細デジタルアーカイブ公開に引き続き、この度「蜂須賀家家臣団家譜史料データベース」を公開する運びとなりました。

 今回データベース化したような文書資料は絵図などに比べれば地味なものですが、歴史研究上貴重な原史料であることは言うまでもありません。このような地域史料が地理的・物理的な制約を超えて広く国内外の研究者の利用に供せられることの意義は大きく、本学をはじめとする大学図書館によるコレクションのデジタル化事業の目的のひとつがまさにそこにあることも度々指摘されているとおりです。特に本データベースでは画像化に加え検索機能による膨大なデータへのアクセスの迅速化により、近世史や地域史における研究が促進されることを願うものです。

 データベースの詳細については事業代表者である桑原恵・総合科学部教授の解説に譲りますが、原史料の解題分析からの忍耐強い作業に改めて敬意を表します。また、データベース作成委員として専門的立場から助言や助力をいただいた根津寿夫・徳島市立徳島城博物館学芸員、平井松午・総合科学部教授、大惠俊一郎・高度情報化基盤センター教授の各氏をはじめとする多くの方々の尽力に感謝申し上げます。

(2007.12)