著作権とは、著作物をつくった人が持っている権利で、著作権法によって保護されています。 その中核をなす権利に「複製権」があります。 「著作者は、その著作物を複製する権利を占有する」 著作権法第21条 これは、著作物を複製する権利を持つのは著作者だけであることを定めているもので、本来、著作権者の許可なく著作物を複写することは違法行為となります。 けれども、著作権法では著作者の権利を保護する一方で、文化の発展に役立つように、著作権者の権利をある一定の範囲で制限するケースについても定められています。 図書館におけるコピーはこのケース(一定の範囲)にあたる(31条)ので、著作権者に許可を得ることなくコピーすることができるのです。
図書館でのコピーは著作権者が本来主張できる権利を制限して行われるものであり、著作権者に著しく不利にならないよう、いくつかの条件が付けられています。 図書館でコピーする際には次の条件を守ってコピーをしてください。 1.コピーできるのは図書館資料だけ 講義のノートや配布プリント、私物の本など、図書館資料以外をコピーすることはできません。 2.図書は、全体量の半分までしかコピーできません 100ページの図書であれば、50ページまでは複写してもよいことになります。 ただし、複数の著者による著作物が編集された編集著作物である場合は、図書の半分ではなく、それぞれの著者が担当した項目の半分になります。 3.雑誌・新聞(定期刊行物)に載っている個々の記事は、 発行後相当期間を経過したもののみ全文をコピーすることができます 雑誌の最新号に載っている個々の記事の全文をコピーすることはできません。 発行後相当期間とは「次号が発行されるまでの間」または「発行後3ヶ月」までの間とされています。 4.調査・研究以外の目的でコピーをすることはできません。 個人の調査研究を目的とする場合のみに利用できます。 営利目的で使用することはできません。 5.一人につき一部のみ 一人につき一部とは、同じページについて2枚以上のコピーはできないということです。 つまり、一部は自分用、もう一部は友人用といったコピーはできません。 6.再コピーをしないでください 有償無償を問わず、再コピーしたり頒布しないでください。 7.文献複写申込書をカウンターに提出してください。 図書館におけるコピー(著作権法31条の規定)は、図書館(員)が主体となって複写することを前提とするものであり、現在、図書館で行われているセルフサービス式コピー機での複写を31条の範囲内として行うためには利用者の皆さんに「文献複写申込書」に記入していただき図書館職員がその権利制限内であることを確認することが必要条件となります。 コピー機を使用するたびに申込書にご記入していただくのは大変お手数だとは思いますが、著作権者の権利を不当に侵害することなく、図書館における複写を適正に行うのに必要な作業となっておりますので、ご理解・ご協力をお願いいたします。