【す だ ち】徳島大学附属図書館報 第179号
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○学術講演会「資料を未来に繋ぎたい ~デジタルアーカイブの可能性~」を開催しました


11月21日(木)に,図書館本館において第29回徳島大学附属図書館学術講演会を開催しました。


学術講演会は,一般市民のほか,学内教職員や学生を対象として,本学図書館に親しんで頂くと共に,知的感動を通じて学びの面白さを多くの人に伝えることを目的として,平成3年の第1回開催から継続的に実施しています。


今回は,講師として,徳島大学の徳島大学大学院社会産業理工学研究部の桑原恵教授,佐原理准教授,塚本章宏准教授の3名をお招きし,「資料を未来に繋ぎたい ~デジタルアーカイブの可能性~」と題してご講演いただきました。


桑原教授からは,歴史資料の原本を保存することの大切さと必要性についてお話があり,和紙の耐水性を示す実演もありました。また,「常三島」の地名の語源について,当館の2つのデジタルアーカイブ「蜂須賀家家臣団家譜史料データベース」「近世古地図・絵図コレクション高精細デジタルアーカイブ」を用いて調べられることを紹介され,歴史資料がデジタルアーカイブとして活用できることの意義についてもお話いただきました。

学術講演会

佐原准教授からは,フィルム写真で撮影された資料の保存・継承の意義とデジタル技術による写真のカラー化がもたらす効果についてお話があり,カラー化前後の写真の変化などを動画で紹介いただきました。

学術講演会

塚本准教授からは,資料のデジタル化とGIS(地理情報システム)の技術を組み合わせた活用の有用性について,「日本災害アーカイブ」や「ヒロシマアーカイブ」などすでに利用されている事例をもとに,お話いただきました。

学術講演会

さらに,3名が取り組んでいるプロジェクトとして,個人の写真資料を市民の歴史資料として活用すべくデジタルアーカイブの作成を進めていること,プロジェクト支援のためのクラウドファンディングを実施中であることについても紹介がありました。


クラウドファンディングの詳細はこちらから → https://otsucle.jp/cf/project/2471.html

講演会には,一般市民・学内教職員など約40名を超える参加があり,「歴史資料の保存の必要性がわかった」「写真をカラーにすることで,地域の人々と交流できることが,映像を見ていて良くわかった」「地域の防災啓発の活動とコラボできないか」「三者三様の切り口で面白かった」等のご意見をいただき,大変好評のうちに終了しました。


また,講演会に関連して,講師の先生方が取り組まれているプロジェクトの写真を中心とした展示会も同図書館内資料展示室で開催しており,講演会後,熱心に見入っている参加者の姿も見られました。展示会は,2020年1月10日(金)まで実施しております。

学術講演会

なお,本講演会及び展示は,地域の公共図書館等との連携協定に基づき,昨年に引き続き徳島市立図書館,徳島県立図書館,鳴門教育大学附属図書館との共催で実施しました。徳島市立図書館,徳島県立図書館では,共催で図書の展示を行い,講演会当日にそれぞれの図書館の展示図書リストの配付を行うなど,連携を活かした情報提供を行うことができました。


ご参加いただいた皆様,ありがとうございました。

学術講演会


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