【す だ ち】徳島大学附属図書館報 第171号
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○附属図書館副館長就任に際して

附属図書館副館長 吉本 勝彦

本年3月末で館長職を退任しましたが、依岡館長からのお誘いにより4月から1年間、副館長として図書館運営に関与する事になりました。微力ですが、これまでの経験を活かして図書館の活性化に貢献できれば幸いです。就任挨拶の場をいただきましたので、この場を借りて館長時代に残された2つの課題に対してのお願いと情報提供をしたいと思います。

論文などの研究成果を機関リポジトリなどで公開するオープンアクセスについては一層推進する必要があり、教職員にはご協力のほどお願いします。そのためには『論文がアクセプトされたら速やかに図書館に連絡する』との対応をお願いします。さらに、昨年 6 月に閣議決定された「統合イノベーション戦略」においては、オープンサイエンスのためのデータ基盤の整備を行う方針が打ち出されています。それに伴い、理化学研究所などの国立研究開発法人においては研究データの公開を求める指針が示されました。公的資金によって実施した研究について、論文に掲載した以外の詳細データも原則として公開することを求めるものです。今後、大学における研究データのオープン化のための具体的アクションが提示された場合には対応が求められますので、ご協力をお願いします。

著者から徴収する論文掲載加工料 (article processing charge, APC)による収入を目的とし、掲載論文や出版の質の管理が粗雑である悪徳雑誌 (粗悪雑誌あるいはハゲタカジャーナル) への投稿を問題視する記事が毎日新聞などで取り上げられ、これに対し日本医学会は本年3月8日に悪徳雑誌投稿への注意を喚起しています。メールなどの誘いに応じて投稿すると、「高額なAPCを請求される」「学術文献データベースに収録されないため、掲載論文が広く流通しない」などの悪影響を受ける可能性があります。徳島大学においても昨年11月に教職員・大学院生に対して注意喚起を行っていますので、参考にしていただければ幸いです。

最後になりましたが、本年2月1日から3月25日に実施した貴重資料デジタル化のためクラウドファンディング(目標額100万円)においては目標金額を上回ることができました。皆さまのご支援の賜物です。ありがとうございました。また、懸案であった附属図書館蔵本分館の入館システムの更新ができ、4月からの入館及び貸出は本館と同様に職員証で使用可能になりました。これを機に教職員の方々が図書館に数多く来館されることを願っています。


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