【す だ ち】徳島大学附属図書館報 第158号
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○今月の「テーマ展示とアプリでStudy!」【蔵本分館】

今回は大学病院腎臓内科講師,長井幸二郎先生に監修いただき,「腎臓病」をテーマに関連書籍・雑誌を展示しています。

腎臓病とは,腎臓の糸球体や尿細管が冒されることにより腎臓の機能が低下する病気です。大まかに,腎臓それ自体に異常が起こる原発性もしくは糖尿病など腎臓以外の疾患が原因となって起こる続発性,また,病気の発生と進展の速さによって急性と慢性に分けられます。

特に慢性のものについてはCKD(Chronic Kidney Disease)と呼ばれていますが,この慢性腎臓病(CKD)は多くは無症状で発症し,2012年には患者数が成人の8人に1人にあたる約1330万人にまで増加するなど,近年では新たな国民病とも呼ばれています。原因は様々であり,糖尿病や高血圧,メタボリックシンドロームといった生活習慣病との関連も深いため,誰しもがかかり得る病気と言えるでしょう。

慢性腎臓病(CKD)により,脳卒中や心筋梗塞などの心血管病発症のリスクが高まります。また,病態が進行して末期腎不全になると体内から老廃物を除去できなくなり,元の腎機能への回復は困難になります。(急性の腎臓病については,機能回復の見込みもあると言われています。)

しかし,食事をはじめとする生活習慣の改善や薬物療法などにより病状の進行を抑制出来るほか,近年では医療技術の進歩により,透析療法や移植といった腎代替療法の中でもさらに選択肢が増えているため,より患者さん自身の生活に合わせた治療をおこなうことが可能になりました。

近年罹患者数の増加する腎臓病においては,早期発見と早期治療が特に重要視され,それを実現するための研究と技術開発が日々おこなわれています。

この機会に理解を深め,今後の診断と治療のあり方について考えてみませんか?展示期間は3月31日(土)までとなっています。皆さんのご利用,お待ちしております。


今回もiPadでは,3つの無料アプリを日替わりでご紹介します。

①eGFR計算機

血液検査で調べた血清クレアチニン値を入力することでeGFR(※)を算出し腎臓の機能低下の程度を調べられる他, 腎臓病の進行度合いに応じて気を付けるべきポイントを見る事が出来るアプリ。

※eGFR:推算糸球体濾過量。腎臓が1分間にろ過できる老廃物の量を示す値で,一般的には高いほど腎臓の状態は良好です。

②小児CKD-eGFR計算

検査手技が煩雑とされる日本人小児のeGFRを算出することに特化したアプリ。

腎機能の低下が著しい場合にアラートが表示される機能もあります。

③腎臓病用かんたん食事管理アプリ 腎録

腎臓病患者さん用のレシピ,生活記録の2つの機能がセットになった生活サポートアプリです。


展示の様子はこちら

展示の様子

今まで行ったテーマ展示の一覧は

http://www.lib.tokushima-u.ac.jp/siryou/theme/ から見ることができますので,ぜひチェックしてみてください!


展示資料のリスト

http://www.lib.tokushima-u.ac.jp/news/news17/pdf/2018021501.pdf