【す だ ち】徳島大学附属図書館報 第151号
メールマガジン「すだち」第151号本文へ戻る


○今月の「テーマ展示とアプリでStudy!」【蔵本分館】

今回は医療教育開発センター長,赤池雅史教授に監修いただき,「身体診察」をテーマに関連書籍・雑誌を展示しています。

「毎日患者を観察していれば,病歴と身体診察によって,現代のテクノロジーだけに依存するよりも数時間や数日,時には数週間も速く正しい診断にたどりつくことができるのだ.さらにある種の診断(中略)には,病歴と身体診察の代わりになるテクノロジーはない.」

『サパイラ 身体診察のアートとサイエンス』(医学書院)初版の序にはこのように記されています。古来より,医師の技術として受け継がれてきた身体診察ですが,近年,医療の現場でも科学技術が目覚ましいし進展を見せる一方で,その重要性が顧みられる機会は少なかったように思われます。しかし最近,身体診察に関する本が多く出されるようになり,各地で勉強会やセミナーが開催されるなど,身体診察への関心は高まっていると感じます。

医療機器・医療検査技術はこの数十年で急速に発展・普及しました。設備の整った環境では,CTやMRIが簡単に撮れてしまうのが現状ですが,常に便利な検査機器が使える環境にあるとは限りませんし,この先どれほど進化を遂げたとしても,検査は診察に取って代わるものではありません。時代が変わっても,医療の根底には,患者さんから話を聞き,触れ,打診して,音を聴くといった,生きたコミュニケーションがあるのではないでしょうか。

医師と患者のコミュニケーションの基本とも言うべき身体診察は一方で,医療を行う目的のもと,患者さんのプライベートな部分に踏み込むという,非常にデリケートな側面も持っています。医療を志す皆さんにとって,身体診察について深く考える機会を持つことは,きっと意味あることと思います。


今回のテーマ展示「身体診察」は学生さんから寄せられたリクエストテーマの1つです。

これからもみなさんのニーズに応じた企画を実施すべく,リクエストテーマを募集しています。同コーナーに設置したご意見箱に, ぜひみなさんの声をお寄せくださいね。

「身体診察」,展示期間は夏季休業を考慮して少し長めの9月25日(月)までとなっています。身体診察は本や論文を読むだけで身 につくものではありませんが,技術を身につけるヒントは見つかるかもしれません。

期間中,ぜひ蔵本分館1階ホール,テーマ展示コーナーにお立ち寄りください。


展示の様子はこちら

展示の様子

今まで行ったテーマ展示の一覧は

http://www.lib.tokushima-u.ac.jp/siryou/theme/ から見ることができますので,ぜひチェックしてみてください!


展示資料のリスト

http://www.lib.tokushima-u.ac.jp/news/news17/pdf/2017080102.pdf



メールマガジン「すだち」第151号本文へ戻る