【す だ ち】徳島大学附属図書館報 第147号
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○附属図書館副館長就任にあたって

大学院社会産業理工学研究部 武藤裕則

もう25年ほども前のことになります。当時留学していたイギリスの大学では,夕刻定時で皆が退出する研究室とは対照的に,図書館の灯りが不夜城のごとく煌々と輝き,調べ物やエッセイ作成に追われる学生の熱気であふれかえっていました。試験前には満席になれど,普段は閑散と,そしてまったりと落ち着いた(恰好の午睡の場でもあった・・・)日本の大学の図書館に慣れ親しんだ身としては,大いに目を瞠ったものでした。

7年前に徳島へ参り,大規模な図書館が身近にある生活に久しぶりに戻りました(何しろ私の研究室は図書館から通路を挟んですぐ北側です)。そこには,私の記憶にある図書館とは異なり,閉館間際まで多くの学生による賑わいがあり,学生の能動的な学習態度を重んじる徳島大の気風の一端を垣間見た思いでした。一方で,そのような活気の中にありながら,館内に一歩入るとそこはいつも静穏・清浄な状態が保たれ,凜とした雰囲気は大変好ましく,図書館職員はじめ関係者の皆さんの環境保持へのご尽力,そして学生の協力には頭の下がる思いです。

このたび,副館長を拝命することとなり,ごく平凡な本好きかつ図書館の「単なる一ファン」としては,このような附属図書館の好ましい雰囲気が今後も保たれるよう,また「ファン」がさらに増えるよう,微力ながら尽力いたしたいと考えております。厳しい予算状況や情報メディアと施設の利用法の多様化を受けて,図書館のあり方も今後大きく変わることが予想されます。皆さまのご指導をいただきながら,吉本館長はじめ図書館教職員と力を合わせて課題解決に取り組んで参りたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。


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