【す だ ち】徳島大学附属図書館報 第132号
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○オープンアクセスシンポジウムを開催しました

12月11日(金),徳島大学附属図書館本館多目的ホールにて,オープンアクセスシンポジウム「オープンアクセスで拓く徳島大学の可能性」を開催しました。

オープンアクセスシンポジウムのポスター


「オープンアクセス」とは,インターネットを介して誰もが無料で論文などの学術情報にアクセスして利用できるようにすることです。

具体的にいうと,徳大で学内の研究成果を発信している「機関リポジトリ」,あれがオープンアクセスの仕掛けの一つです。

昨年3月に内閣府から公表された「我が国におけるオープンサイエンス推進のあり方について」を契機として,「オープンアクセス」「オープンサイエンス」の推進は,大学が取り組むべき大きなテーマとして全国的に取り上げられるようになってきました。


では,徳島大学で,どのように進めていけばいいのでしょうか?

今回のシンポジウムは,先進的な活動を行っている京都大学から講師の方をお招きし,オープンアクセス,オープンサイエンスについて概括するとともに具体的な活動内容をご紹介いただくことで,今後の徳島大学の方策を検討する機会となるよう実施したものです。


講演タイトルは下記の通りです。


■講演1

「大学図書館とオープンアクセス:その選択と今後」

〈講演者〉引原 隆士 氏(京都大学図書館機構長・附属図書館長)


■講演2

「全学で取り組むオープンアクセス」

〈講演者〉今井 敬吾 氏(京都大学学術研究支援室 リサーチ・アドミニストレーター)


■講演3

「徳島大学IR室による論文・関連情報の収集と活用状況」

〈講演者〉大家 隆弘 氏(徳島大学IR室 副室長)


引原隆士先生からは,現在の学術情報流通が膠着状態にあることについて解説があり,この状況を打破し,学術研究を発展させるためには,オープンサイエンスをすすめ個々の大学から積極的に発信していくことが必要であることが述べられました。

オープンアクセスシンポジウム

今井敬吾氏からは,URA(リサーチ・アドミニストレーター)が学内の情報部門や図書館と連携し,オープンアクセスを推進した具体的な事例をご紹介いただきました。特に,教育研究活動データベースと機関リポジトリとの連携や,現在開発中のオープンアクセス申請システムについての情報は大変参考になるものでした。

オープンアクセスシンポジウム

大家隆弘先生からは,徳島大学 教育・研究者情報データベース(EDB)を中心に徳島大学の学術情報の実情について報告いただきました。

オープンアクセスシンポジウム

以上の講演のあと,吉本徳島大学附属図書館長がモデレーターとなり,3人の講演者に加え徳島大学研究支援・産官学連携センターURA部門長 荒木寛幸先生にもご参加いただいてパネルディスカッションを行いました。ここでは,オープンアクセスの「意義」,「進め方」,「大学の戦略」の3つの観点から意見交換と質疑応答を行いました。

参加者からは,「オープンアクセスが持つ様々な意義がわかった」,「わかりやすかった」,「引原先生の話をもう少し聞きたかった」等の声が寄せられました。

また,オープンアクセス推進にあたっては「組織的に取り組む」,「学術成果の収集・発信の在り方について,大学図書館が確固とした姿勢を持ち行動していく」,「登録作業の重複や負担を軽減するようなシステム構築」,「専門知識を持った人材の育成」,「意識の変革のためにこういった啓蒙活動を繰り返し行うこと」等が必要である,との意見がありました。

オープンアクセスシンポジウム

今回のシンポジウムは全学部のFD及びSD(スタッフ・ディベロップメント)も兼ねて実施しており,共催の本学研究支援・産官学連携センター,AWAサポートセンター関係者を含め約40名の参加がありました。

当日参加できなかった方にもFD・SDとしてご活用いただけるよう,講演内容を録画し,図書館ホームページ(蔵本分館)の「学内セミナー・講演会映像ライブラリー」にて,学内限定で公開しています。

「学内セミナー・講演会映像ライブラリー」はこちら


お忙しい中徳島までお越しいただいた講師のみなさま,参加者のみなさま,誠にありがとうございました。

今回のシンポジウムを契機として学内の関係部局との連携を深め,徳島大学のオープンアクセスの推進,学術研究の発展に寄与できればと思います。


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