蔵本分館では、旬のテーマや、1つの分野に収まらない学際的なテーマを取り上げ、図書とiPadアプリを展示しています。
今回は「疼痛の病態と治療」をテーマに,地域医療人材育成分野の曽我朋宏先生に監修いただいた資料を展示しています。
第42回テーマ展示「疼痛の病態と治療」( 2015年11月4日~2015年12月2日(予定))
痛みとは?「組織の損傷,またはその可能性がある刺激に附随する,感覚的・情動的に不快な体験」。
1979年,国際疼痛学会は「痛み」の概念をこのように定義しました。
痛みはQOLの低下を招く一方,生体に生じた異常を知らせ,鎮静を促す警告信号でもあり,私達にとって欠くことのできない,重要な感覚でもあります。
痛みと向き合うことは医学の原点とも言われますが,感覚であると同時に情動でもある痛みは科学的検証が難しく,痛みそのものの研究が進みにくいという現状がありました。
その点を改善するため,米国では2001年から2010年までを「痛みの10年」とし,国家プロジェクトとして痛みの研究・治療に取り組みました。
結果,痛みの評価は,呼吸・体温・血圧・脈拍に続く第5のバイタルサインとして,日常診療に取り入れられています。
慢性痛を抱える患者は推定2,000万人超と言われる日本でも,2009年,厚労省による慢性の痛みに関する検討会が発足し,痛みの治療は今後ますます重要な課題となりつつあります。
この機に,痛みという感覚をつくり出す仕組み,疾患別・病態別に様々ある鎮痛法について,理解を深めてみませんか?
また,今回iPadでは2つのアプリを交互にご紹介しています。
①「Neuro Localizer HD」…ミシガン大学の神経学者のチームよって開発されたアプリです。神経学的徴候や症状の組み合わせに基づいて,神経病変の位置を推定できるアプリです。
②「Pain Guide」…鎮痛剤の概要からインターベンションテクニックまで,とにかく痛みに関して多岐にわたるコンテンツが用意されているアプリです。
期間中はコーナーのiPadでお試しいただけますので,ぜひお試しください。
ブログ「徳島大学附属図書館蔵本分館日誌」では,アプリの詳しい使い方をご紹介しています。こちらもご覧ください。
「「アプリでStudy! (「Neuro Localizer HD」,「Pain Guide: Pain Management Quick Reference」)」
なお、徳島大学附属図書館Webページでは、今まで行ってきた展示とアプリを紹介しています。
http://www.lib.tokushima-u.ac.jp/siryou/theme/ から見ることができますので、ぜひチェックしてみてください!
展示の様子はこちら