【す だ ち】徳島大学附属図書館報 第129号
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○今月の「テーマ展示とアプリでStudy!」【蔵本分館】

蔵本分館では、旬のテーマや、1つの分野に収まらない学際的なテーマを取り上げ、図書とiPadアプリを展示しています。

今回は「ホスピス緩和ケア」をテーマに、徳島大学病院がん診療連携センター 武知浩和先生と、近藤内科病院 荒瀬友子緩和ケア病棟長のお二人に監修いただいた資料を展示しています。


第41回テーマ展示「ホスピス緩和ケア」( 2015年10月1日~2015年11月3日(予定))


2015年10月10日の「世界ホスピス緩和ケアデー(World Hospice & Palliative Care Day)」に合わせ、10月4日から10日は「ホスピス緩和ケア週間」となっています。

皆さんは「ホスピス緩和ケア」にどのようなイメージをお持ちですか?


1990年のWHO(世界保健機関)の定義では、「治癒を目指した治療が有効でなくなった患者に対する積極的な全人的ケア」とされていた緩和ケア。

この定義は2002年に改定となり、緩和ケアは、「生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、(中略)問題を早期に発見し、的確な治療・処置を行うことにより苦しみを予防、和らげることで、生活の質を改善するアプローチである」と、広義に解釈されるようになりました。


その定義の中で、緩和ケアは、病気の早い段階から適用し、QOLを高めて病気の過程に良い影響を与え、積極的な治療とも結びつくケアであることが強調されています。


日本でも、2007年に施行された「がん対策基本法」に、緩和を目的とする医療が早期から適切に行われるようにすることが盛り込まれ、全国のがん診療連携拠点病院では「緩和ケア研修会」が定期的に実施されるなど、緩和ケアの裾野は大きく広がっています。


一方で「ホスピス=終末期ケアを提供する施設」、「緩和ケア=終末期ケア」という誤解がまだかなり残っているため、必要な緩和ケアが行われにくい現状があります。

インフォームド・コンセントの十分な定着、在宅におけるホスピス緩和ケアの充実、緩和ケアへのボランティアの導入など、課題も様々です。


今回の展示では、緩和ケアにまつわる心理的社会的問題から、具体的な療法の解説まで、様々な資料を集めテーマに迫ります。

この機に、緩和ケアのあり方について理解を深めてみませんか。

蔵本分館1階テーマ展示コーナーで皆さんのご利用をお待ちしております!


また、今回もiPadでは4つのアプリを交互にご紹介しています。

①「ORTHODOSE」…レスキュードーズやオピオイドローテーションの用量計算ができるアプリです。

②「がん治療と食事 for iPhone」…治療によって生じる症状に適した食事のレシピ、医師・看護師・栄養士からのアドバイスが閲覧できます。

③「肝硬変重症度Child分類・消化器癌進行度分類」…各種がんの進行度などを算出できるアプリです。

④「もしも、がんが再発したら」…国立がん研究センターがん対策情報センターが、再発がんの体験者とともに作った冊子をアプリでも。


期間中はコーナーのiPadでお試しいただけますので、ぜひお試しください。


ブログ「徳島大学附属図書館蔵本分館日誌」では、アプリの詳しい使い方をご紹介しています。こちらもご覧ください。

「アプリでStudy! part1(「Orthodose」、「がん治療と食事 for iPhone」)」→http://tokudaibunkan.blogspot.com/2015/09/study-part1orthodose-for-iphone.html

「アプリでStudy! part2(「肝硬変重症度Child分類・消化器癌進行度分類」、「もしも、がんが再発したら」)」→http://tokudaibunkan.blogspot.com/2015/10/study-part2child.html


なお、徳島大学附属図書館Webページでは、今まで行ってきた展示とアプリを紹介しています。

http://www.lib.tokushima-u.ac.jp/siryou/theme/ から見ることができますので、ぜひチェックしてみてください!


展示の様子はこちら

展示の様子

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