【す だ ち】徳島大学附属図書館報 第122号
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○附属図書館長退任に際して

附属図書館長 福井義浩

平成25年4月1日付けで附属図書館長に就任し在任2年となりましたが、この3月末で任期満了となります。図書館職員の皆様、分館長、副館長のご協力の下、少しは図書館のスムーズな運営に貢献できたのではないかと思っています。着任後、大学改革実行プランに基づき、担当理事、歴代館長、分館長等からなる「図書館の今日的課題に関する検討会」を計4回開催しました。検討会の議論の中で今後の徳島大学附属図書館の改革の方針が決定され、軸足を教育支援に置くことが決まり、「徳島大学附属図書館の理念・目標と評価指数」を策定しました。所属は、これまでの情報部から学務部に変わりました。そこで、平成26年度から図書館長を補佐する副館長を本館と蔵本分館に1名ずつ配置しました。依岡副館長には常三島地区における学生の学習サポートとビブリオバトルを行って頂きました。吉本副館長には蔵本地区に於いて学生の能動的・自主的な学習をサポートする授業サポートナビを作成していただきました。授業ごとに参考となる図書を紹介する学習サポートナビは歯学部からはじまり、今では医学部、薬学部にまで広まっています。

南川蔵本分館長には、電子ジャーナル、コアジャーナルの選定等に関してとりまとめをお願いしました。円安により電子ジャーナルは年々高騰化しています。平成26年度は学長・理事のご理解により全学共通経費は現状維持ができましたが、今後も厳しい状況であることに変わりはありません。次期館長と南川分館長には電子ジャーナル、コアジャーナルの現状タイトル維持にご尽力をお願い申し上げます。

学生からの意見を聞く「懇談会」は従来隔年開催でしたが、常三島地区、蔵本地区でそれぞれ毎年開催するようにして、利用者の声を直ぐに図書館の運営に反映させることにしました。本館では、個別指導のためのサポートデスク(SSS)に、教員による学習指導及び学習支援アドバイザーを活用して学習支援をさらに充実させました。大学祭においては、「本のリユース市」を実施しました。また、読書週間の行事として「TOKUDAI川柳」を総合科学部石川教授の全面的なご協力を得て実施しました。蔵本分館では学生が時間外でも勉強できるように自習室を整備し、自学自習環境の整備を行いました。初めての試みとしてパイロット事業支援プログラム(教育改革支援事業)「エビデンスに基づく医療を実践するEBMワークショップ」等を開催しました。平成24年から始まった「テーマ展示」も第7回から監修者を依頼し内容の充実に努めてきました。今年度で35回を数えるまでになりました。本館、分館とも、アクティブラーニング・スペース、ラーニングコモンズの活用も活発になっています。

徳島大学に所蔵されている貴重資料である伊能図のデジタル画像の学内外からの利用申し込みも増えており、徳島大学が所有する伊能図の歴史的価値は認知されてきました。図書館振興財団による研究助成も頂き、さらにデジタル画像ライブラリーを充実させることができました。また、その歴史的価値を学術的に研究するための学長裁量経費「伊能図検証プロジェクト」により、学内外の専門家による委員会を設置し作業を行っています。

平成26年度完了予定の蔵本地区の遡及入力が予定より早く完了しました。さらに27年度は常三島地区の遡及入力が完了する予定です。不要図書の廃棄により空いたスペースは学習支援のためのスペースにできると思います。学生の皆さん、これまで以上に図書館を利用して勉学に励んで下さい。


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