蔵本分館では、旬のテーマや、1つの分野に収まらない学際的なテーマを取り上げ、図書とiPadアプリを展示しています。
今回は疾患治療栄養学分野特任教授で栄養部部長の濵田康弘先生に監修していただいた、「NST」についてご紹介します。
●第32回テーマ展示「NST」(2014年12月3日〜2015年1月6日)
NST(nutrition support team:栄養サポートチーム)とは、患者さんを栄養面からサポートする、職種の壁を越えたチーム医療のことです。
最先端の治療を受けて、効果の高い薬を服用しても、身体に必要な栄養が摂れなければ元気になれません。
各症状・状態に合った栄養を最適な形で摂取できるようサポートする。それはあらゆる患者さんに有効な医療です。
そしてその医療を、管理栄養士だけでなく、医師・看護師・薬剤師・臨床検査技師などが一体になって実施するのがNSTです。
日本でのNSTの歴史は浅く、全科型NSTが日本に初めて設立されたのは、わずか16年前のことです。
そのため、NST関連図書も出版年が新しいものが多く揃っています。
医科栄養学科以外の学生さんは、「NST」という言葉から図書を探すことは少ないかもしれません。
でも「臨床栄養」「病態栄養」なら聞きなれているのではないでしょうか。
今回はNSTをメインに扱った図書だけでなく、「臨床栄養」「病態栄養」中心の図書も一緒に展示することで、「NST」にピンと来ない学生さんにも目を向けてもらい、「NST」を知ってもらうきっかけになればと思っています。
蔵本キャンパスは、NSTに必要な全ての職種の人材養成機関が揃っている、日本唯一のキャンパスです。
医歯薬学部それぞれの学生さんが、専攻分野の学習と栄養管理を関連付けて考えることが、更なるNST発展につながるのではないでしょうか。
*展示資料一覧はこちらからどうぞ*
→ http://www.lib.tokushima-u.ac.jp/news/news14/pdf/2014120301.pdf
なおiPadでは、3つの無料アプリを交互にご紹介しています。
- 「iNST mobile」…NPO法人 岡山医師研修支援機構が開発した栄養設計補助アプリ。必要エネルギー量、投与エネルギー量、電解質量などを簡単に計算できます。
- 「NST Assist」…NSTに関わる医療従事者向けの栄養計算アプリ。グラフが見やすく、またオリジナルの成分で栄養剤を登録するのに便利です。
- 「MNA」…高齢者向けの簡易栄養評価アプリ。操作・画面がシンプルでわかりやすいのがポイント。わずか数分で栄養評価結果が得られます。
ブログ「徳島大学附属図書館蔵本分館日誌」では、アプリの詳しい使い方をご紹介しています。こちらもどうぞご覧ください。
「iNST mobile」→ http://tokudaibunkan.blogspot.jp/2014/12/studyinst-mobile.html
「NST Assist」→ http://tokudaibunkan.blogspot.jp/2014/12/studynst-assist.html
「MNA」→ http://tokudaibunkan.blogspot.jp/2014/12/studymnamini-nutritional-assessment.html
テーマ展示コーナーで実際にアプリもお試しいただけますので、気軽に触ってみてくださいね。
また、徳島大学附属図書館Webページ内にテーマ展示のページを作成し、過去の展示とアプリを紹介しています。よろしければご覧ください。
→ http://www.lib.tokushima-u.ac.jp/siryou/theme/
展示の様子はこちら