【す だ ち】徳島大学附属図書館報 第116号
メールマガジン「すだち」第116号本文へ戻る


☆第4回大学図書館学生協働交流シンポジウムに参加しました

2014年8月21日−22日に山口大学で大学図書館学生協働交流シンポジウムが開催されました。

このシンポジウムは図書館等で活動する学生や大学の教職員が全国から集まり,一緒に学生協働活動について考え,意見交換を行い,活動のさらなる発展を図るものです。

(詳細はこちら


徳島大学附属図書館ではライブラリー・ワークショップ,阿波ビブリオバトルサポーター,学びサポート企画部の3グループが学生協働活動を行っています。

そこで,これらの活動に参加している学生さん5名と「第4回大学図書館学生協働交流シンポジウム」に参加してきました。

昨年に引き続き2回目の参加です。山口大学のキャラクター「ヤマミィ」に出迎えられ,シンポジウムはスタートしました。

IMG_0002

1日目は基調講演,ポスターセッションが行われました。

基調講演は山口大学学生支援センターの平尾元彦教授から「キャリアから考える学生協働」というテーマで,キャリアの視点で重要なことや図書館の変化,学生協働の意義などについてのお話をお聞きしました。

講演の間には,皆で考え,ディスカッションするワークもあり,楽しい雰囲気でした。


ポスターセッションでは,ライブラリー・ワークショップと学びサポート企画部が活動内容の発表を行いました。

どちらのグループにもたくさんの方が発表を聞きに来てくださり,質問もたくさんいただき大盛況でした。


2日目はワールドカフェ形式で「学生協働は利用者の役に立っているか?」というテーマについて,学生・教職員を交えて和気あいあいとディスカッションを行いました。

学生・教職員の両視点を合わせた活動をすることができる,学生は図書館や教職員との懸け橋になる,学生を通して図書館の広報ができる,などなど様々な意見が出され,概ね役に立っている(役に立っていて欲しい!)という結論に達しました。他大学の活動の様子も聞けて参考になりました。


今回のシンポジウムでは参加した学生さんたちがとても頑張ってくれました。

時間のない中でのポスター作成や発表準備は大変だったと思いますが,「とても楽しかった」「為になった」「帰って他のメンバーに報告したい」とみんな大変良い顔をしていて,一緒に参加することができた私もとても嬉しく思いました。

(一緒にシンポジウムに参加した学生さん)

IMG_0047

以下に学生さんからの感想も掲載します。

5人いるので,今月はライブラリー・ワークショップと阿波ビブリオバトルサポーターの両方に所属している出口さん,齊藤さんの感想です。

(学びサポート企画部の上村さん,枝川さん,片山くんの感想は来月号に掲載します。お楽しみに!)



総合科学教育部 地域科学専攻2年 出口桜子


8月21,22日に山口大学の吉田キャンパスで行われた「第4回 大学図書館学生協働交流シンポジウム」に参加してきました。私はライブラリー・ワークショップという団体と阿波ビブリオバトルサポーターというサークルに所属しており,また,学生支援アドバイザーとして活動しているので,「学生協働」を考えるためにこの度は参加することに決めておりました。「ゼロから考える学生協働」というテーマのもと,全国各地の大学から学生や図書館の職員さんが集まり,参加者の多さに驚き,たくさんのことを吸収しようと身の引き締まる思いでした。

1日目は,山口大学大学教育機構学生支援センターの平尾教授の基調講演を聴きました。「キャリアから考える学生協働」ということで,キャリアの視点で大学生活を考えたり,社会の変化とともに図書館がどのように変化しているのかを考えたりしました。学生協働を考えていくうえで,とても為になる講演であったと感じます。

そして,同好会であるライブラリー・ワークショップという団体の代表として,ポスター発表を行いました。たくさんの方々が発表を聞きに来てくれ,質問も多くいただきました。目立った質問としては「徳島大学では司書課程は取れるのか?」や「ライブラリー・ワークショップでの展示はどのようなサイクルで行っているのか?」などでした。

次に,山口大学吉田キャンパスの図書館を見学させてもらいました。利用者のことを考えた様々な作りの説明を聞き,「利用者を考えた図書館の在り方」について考えさせられました。非常に刺激的な1日目だったと思います。

2日目は「学生協働は利用者の役に立っているか?」というテーマでワールドカフェというグループディスカッションを参加者全員で行いました。グループに分かれ話しあったのですが,まず「利用者」とは誰を指すのか?というところから話を進めていきました。私のグループでは,様々な意見が出ましたが,「役に立っている」という結論に落ち着きました。自分のグループの人々の意見や,他のグループの発表を聞いて,学生協働の意義や意味などを改めて考える良い機会になったと感じています。

あっという間の2日間でしたが,本当に多くの人たちとの出会いがありました。学生協働を行っている身として,この経験をこれからの活動に活かしていきたいと思います。



総合科学部 人間文化学科 4年 齊藤桃子

「第4回 大学図書館学生協働交流シンポジウムに参加して」


1.はじめに

先日,「0(ゼロ)から考える学生協働 ―次の1歩を踏み出そう― 」というテーマで行われた「第4回 大学図書館学生協働交流シンポジウム」に参加させて頂きました。他大学での活動の様子を知ること,そして他大学との繋がりをつくることを目的として山口大学へ向かいました。

2日間行われたシンポジウムでは様々な講演・交流が行われましたが,ここでは特に印象深かった「ポスターセッション」,「図書館見学」,「ワールドカフェ」について報告します。


2.ポスターセッション

当日のライブラリー・ワークショップのポスターセッションは2人で担当し,発表後の質疑応答の時間ではたくさんの質問が寄せられました。質問内容で多かったのは「ポップコンテスト」と「映画と原作の比較」についてです。ポップコンテストに関しては,頻度・募集対象・順位の決め方・受賞者への特典などについての質問が多かったです。「映画と原作の比較」に関しては,過去に比較した作品・話し合いのし方・作品の選び方についてよく聞かれ,原作を読んでいることを条件として,メンバー内だけでなく学内全体へ広げてはどうかという意見も頂きました。

自分たちの発表に関心を持ってくれる学生・職員の方がたくさんいたのでとても嬉しく感じたのですが,他大学の発表をあまり聞くことができなかったことが少し心残りです。

(ポスターセッションの様子)

IMG_0019

3.図書館見学

今年3月に改修工事を終えた,山口大学の新しい総合図書館を案内して頂きました。館内は綺麗で広々としていて,様々な設備がありました。図書館1階には,「りぶカフェ」という学生が企画から運営までを行うカフェがあり,1階奥には,壁一面がホワイトボードになっている広い学習スペースがありました。他にもパソコン室や自主学習スペースなど,とにかく広くゆったりとしていて,多くの学生が利用できる環境が整っていました。

しかし,そんな綺麗で充実した設備がある一方で,1年前の豪雨による水害の跡も見せて頂きました。地下1階が床上浸水し,約4万冊もの本が水損被害を受けたそうです。

案内してくださった図書館職員の方のお話から,改修にあたって本当に隅々まで学生のために配慮されてきたことが分かりました。

(ホワイトボードウォール)

IMG_0038

4.ワールドカフェ

ワールドカフェでは,1グループ7人前後の14グループにわかれて「学生協働は利用者の役に立っているか」というテーマで話し合いました。途中でグループ替えをし,新しいメンバーで意見を交換したあと,再び最初のグループにもどって最終的な結論を出すという形式で行いました。

私のグループでは,「学生協働は利用者の役に立っている」という前提で話を進めていき,最終的には学生協働の在り方にまで話が広がりました。「学生協働が役に立つかどうかは頭の片隅で考えることにして,一番大事なのは学生たち自身が楽しんでやること」と,最後にまとめられました。学生協働は責任を伴う活動も多く,学生の負担になってしまうこともしばしばあります。そうなると活動自体が上手く機能しなくなったり,持続できなくなったりします。そういう点で,「学生が楽しんで活動すること」は一番大切にすべきことであると私も感じ,学生が楽しんでやる活動の先に「役に立つ」というものがあることが,理想の形なのではないかと思います。

最後にグループ発表があり,他の班の意見も聞くことができました。学生の目線が入ることで,職員が気づかないことに気づくことができ,学生の新しいニーズに対応できるという意見や,職員だけ・学生だけではできないことが,学生協働という形をとることでできるようになる,そして学生協働の学生は職員とほかの学生・教員などの架け橋になるという意見がありました。

(ワールドカフェの様子)

IMG_0049

5.おわりに

今回のシンポジウムでは,学生協働とは何かという根本的なところ,まさに「0(ゼロ)から考える」ことができました。他大学の学生や図書館職員の方との交流も普段はなかなかできないことなので,本当に貴重な経験ができたと改めて感じています。また,いろいろな大学の方とお話する中で,やはり大学によって活動内容も異なることが分かり勉強になりました。どのイベントも楽しく,とても有意義な時間を過ごすことができました。いままで以上によい活動ができるよう,シンポジウムでのことをこれからの自分たちの活動に存分に活かしていきたいと思います。


メールマガジン「すだち」第116号本文へ戻る