【す だ ち】徳島大学附属図書館報 第110号
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☆「全力卒論前夜祭」を終えて

総合科学部人間文化学科 4回生 今井早苗

「卒業論文」は私たち大学生が、学生生活の中で取り組む恐らく最終最大のイベントではないでしょうか。卒業論文を書く事が、ただの苦行として思い出に残る人もいれば、楽しかった思い出として残る人もいると思います。自分にとっての卒業論文にかけた思いと、自分自身の学びを、学部学科や学年を超えた人たちの間で共有する場として、「全力卒論前夜祭~マジでプレする12時間前~」というイベントを私は企画しました。


ポスターを入口においてイベントをアピール

2014年2月12日(水)17:30~19:30開催
ポスターを入口においてイベントをアピール


私の今年の1年間の時間は、そのほとんどが卒業論文の作成のために費やされました。フーコーという哲学者の『狂気の歴史』、『監獄の誕生』という著書を読み込むことに多くの時間を費やしました。これらを読むことは、元々活字が苦手な私にとってまさしく苦行でした。日本語で書かれた訳書であるにも関わらず、なぜこんなにも理解ができないのか、いつになったら次のステップに進められるのか、不安な気持ちでいっぱいでした。読んだ次は、なかなか文章がまとめられない壁に当たったり、もっとたくさんの情報を得ようと欲張りになったり、最後の最後まで壁は立ちはだかってきました。困難の数がたくさんあっただけに、それだけ成長した部分もたくさんあります。

このような、たくさんの困難と成長する機会を与えてくれた、卒業論文の発表がたったの1回なんてなんだか、勿体無い!!自分が理解した哲学の話をもっと多くの人と共有したい!!卒業論文ほど、自分を成長させてくれるものはなかなかない!勉強することの有意義さをもっともっと多くの学生と共有したい!それもできるだけ早く!という思いが、卒業論文が書き上がった時に溢れんばかりに湧いてきました。卒業論文の完成をまず最初に図書館職員の佐々木さんに報告しました。解放感と達成感からの勢いそのままに、このような思いをたくさん話しているうちに、気が付いたらこのイベントが企画されていたみたいです(笑)。

勢いで企画したイベントでしたが、4年間の大学生活の中で作ってきた、活動のフィールドを超えた仲間たちの支えもあって、なんとかイベントを開催することができました。アンケートの中には、「来年もやりたい」という声が多く寄せられましたし、「卒論に対するやる気が上がった」という声も得られ、このイベントの目的は達成されたのだと思います。来年も、さらにパワーアップした「全力卒論前夜祭」が行われるのを楽しみにしています。


司会は総合学部人間文化学科3年 原麻里夢さん

司会は総合学部人間文化学科3年 原麻里夢さん

医学部栄養学科4回生 佐藤優里さんの発表

医学部栄養学科4回生
佐藤優里さんの発表

総合科学部社会創生学科 4回生 藤田千晶さんの発表

総合科学部社会創生学科 4回生
藤田千晶さんの発表

総合科学部社会創生学科 4回生 野勢祐樹さんの発表

総合科学部社会創生学科 4回生
野勢祐樹さんの発表

総合科学部人間文化学科4回生 今井早苗さん(イベント企画者)の発表

総合科学部人間文化学科4回生
今井早苗さん(イベント企画者)の発表

質疑応答も活発でした

質疑応答も活発でした


卒業論文も書き終え、発表会も終え、ひと段落といったところです。哲学専攻の学生らしく、私がこの卒業論文への取り組みによって得た一番の気づきは、まさに「無知の知」です。だからこそ、ここからが本当のスタートだと思っています。社会人になると、これまでの様に多くの時間を勉強に割くことは難しくなりますが、これからももっともっと勉強がしたいです。そう思わせてくださった、毎日丁寧に指導をしてくれた指導教員の先生への感謝の気持ちは尽きません。

大学は勉強をする場所だ!という思いを持った仲間の輪がこのイベントを通して広がるのであれば、それほど嬉しいことはありません。最後に、イベントの企画に協力してくれた職員の佐々木さん、登壇してくれたプレゼンターの方、司会の方、他にも協力してくれた職員の方々、参加された方にはこの場を借りて改めて御礼申し上げます。

企画者、司会者、発表者全員で記念撮影

企画者、司会者、発表者全員で記念撮影


卒業論文の作成にあたって、図書館という場所にも非常にお世話になりました。図書館を通じて、今後も知的な世界に羽ばたく学生の方がたくさん増えることを心から期待しています。



図書館より~

「全力卒論前夜祭~マジでプレする12時間前~」は、2014年2月12日(水)17:30~19:30に開催されました。ほとんど告知する期間がなかったにも関わらず、司会者、発表者含めて約25名(途中の出入りもあったため正確な数は不明)の方にご参加いただきました。参加者の所属の内訳は総合科学部11名、医学部5名、工学部2名の他、徳島文理大学からも2名参加ということで、「学部学科や学年を超えた人たちの間で共有する場」をつくりたいという今井さんの思いがかなった形となりました。

イベント終了後のアンケートで「この企画は次年度も行った方がよいですか?」と聞いたところ、「そう思う」「どちらかと言えばそう思う」の回答あわせて100%という結果が出ました。また全員が「楽しかった」と回答されています。自由記述では半数の方が「卒論に対するイメージが湧いた」と回答してくれました。楽しく卒論について考えることが出来るこの企画、ぜひ来年も開催したいと思います。企画いただいた今井さんをはじめ、忙しい時期に司会、発表を引き受けてくれたみなさん、ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。


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