【す だ ち】徳島大学附属図書館報 第109号
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☆図書館初!インターナショナル展覧会 from スタージゼミ【本館】

1月23日から2月13日にかけて、"International Friendship Image Exhibition(「友情」をテーマとした写真・絵画の国際展覧会)"が図書館3階資料展示室で行われました。この展示会ではスタージ先生のゼミの活動で収集された海外の子どもたちの絵画、海外の大学生の写真などを日本のものと合わせて展示しました。

展示準備の写真 展示準備の写真

展覧会の準備に当たって、私たち日本側のスタッフは本当に様々なことを経験し、感じ、学びました。とりわけ記憶に鮮明なのは展覧会開催決定後、ラトビアから送られてきた写真のサンプルを目にした時の驚きです。

「友情」がテーマと決まって写真を収集することになったとき、私たちはどのような写真がテーマに相応しいか考えました。そのとき私たちの頭に浮かんだ案は、例えば友達との旅行の写真とか、学校生活に関するものとか、("友"情という表記どおり)同世代や友人同士での交流をモチーフにした写真でした。

しかしラトビアから送られてきた写真サンプルを見たとき、私たちはひどく困惑してしまいました。彼らの写真選びは実に広い視野で行われており、スタッフの率直な感想から言うと何でもアリな具合に揃っていました。先生と生徒、母と子、果ては木の根っこと石(!)まで、これらすべての関係を友情として捉えており、表情も状況もポージングもそれぞれ実に個性的でした。

困った私たちはゼミのドン:ドナルド・スタージ先生に解釈を求めたところ、彼はむしろスタンプのように似たポーズ・似た表情をする日本人の方がよほど奇妙に見えるとおっしゃられました。そう思って自分たちのチョイスを見返してみると、なるほど確かに私達の手元の写真は状況こそ違うものの、皆笑顔・ピース・楽しそうなポージングと、全体的に類似点の多いものが揃っていました。私達はおそらく写真を選ぶ時に"写真中の人物が笑っていないといけない"とか、"ピースをしたり楽しそうに写っていないといけない"とか、無意識に私達の通俗的な制約を写真表現にかけて選別をしていたのだと思います。

ところが遠く離れた異国の彼らの選考基準と私たちのものはかなり異なっていて、そうした違いがこのような思いもよらない場面で姿を現したのでした。それを実感した時、私たちは新鮮な気持ちになりました。

こうした小さなカルチャーショックのようなものが、彼らと共に協力して準備していく中で度々発生しました。しかしこの感覚は不思議と嫌ではなく、むしろ振り返って思うと国際交流をする醍醐味と言えるような貴重な体験でした。 これら以外にも数多く出来事を含めて時間は経ち、展覧会は無事開催できました。

展示の写真 展示の写真 展示の写真

色々なことを教えてくれた彼ら、ご協力頂いた図書館職員の皆様、そしてこうした機会を与えてくれたドンには非常に感謝しております。そしてなにより足を運んでくださった皆様!有り難う御座いました!

ノートの写真

展示物は後日ゼミホームページにて公開予定ですのでこちらにももう一度目を通して頂けると大変嬉しく思います。

ドナルド・スタージゼミ Latvia/Japan Photo Exhibition 企画代表 谷口 由希子

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