【す だ ち】徳島大学附属図書館報 第106号
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○機関リポジトリへの学術研究成果登録のお願い

ご存知の方も多いかと思いますが、2013年4月の学位規則改正により、博士論文のインターネットによる公表が義務化されています。この「インターネットによる公表」は機関リポジトリによることが原則とされたため、機関リポジトリが大きく注目を集めることとなりました。この機会に改めて、機関リポジトリの概要と徳島大学の現状についてお話ししたいと思います。

[機関リポジトリの概要]

機関リポジトリとは、大学等の研究機関で作成された学術研究成果を収集・保存し、全世界に向けて無償で公開するものです。この「学術研究成果」ですが、博士論文に限らず学術雑誌掲載論文や紀要論文、会議等の発表資料なども該当します。こうした成果物を機関リポジトリに登録・公開することには以下のメリットがあります。

1. 学術研究成果が幅広く利用される

電子ジャーナルは、契約している機関の関係者だけ利用できるものですが、機関リポジトリは無償公開ですので、誰でも利用できます。

2. 学術研究成果の発表機会が増える

学術雑誌投稿などに加え、機関リポジトリへの登録・公開も研究成果発表の有力なツールになります。また、機関リポジトリには論文・書籍等の形になっていない会議発表資料等も登録できます。

3. 大学の学術研究成果を一元的に管理できる

研究室ホームページ等では教室ごとの管理になり、大学全体の研究成果をいちどに見ることができません。また、ホームページは登録データの更新・削除の可能性がありますが、機関リポジトリは永久保存を前提としていますので、いつでも研究成果を見ることができます。

4. 大学の学術研究成果公表による社会への説明責任とブランド向上

社会からの「大学はどのような研究をしているのか」の疑問に対し、機関リポジトリ登録の成果物の内容を示すことで、説明責任が果たせます。また、研究成果の内容を社会に示すことは、大学のブランド向上にもつながります。


また、特に近年では大学ランキング (朝日新聞社発行)等で大学評価の指標のひとつになってきているなど、その重要度も高まっています。

[徳島大学の現状]

徳島大学では、2010年10月に機関リポジトリの正式運用を開始してから3年が経過し、2013年9月30日現在では約11,500件の学術研究成果が登録されています。ただ、大部分は契約により学内でのみ本文利用ができるデータ(学外の方は契約外のため本文利用不可)となっていて、学外の方も含む全ての利用者が論文を無償利用できるデータは、1,800件程度にすぎません。この件数は、他大学と比較してもまだまだ少ないものです。

[学術研究成果登録のお願い]

現在、徳島大学機関リポジトリへの学術研究成果登録は博士論文を除き義務化されておりません(博士論文でも、2013年3月以前に学位授与された方の論文は義務化されておりません)ので、徳島大学機関リポジトリのさらなる充実のためには研究者の皆様からの学術研究成果のご提供が不可欠です。学術雑誌論文や紀要論文、会議資料等について徳島大学機関リポジトリへの登録をお願いしたいと思います。また、場合によっては、図書館から機関リポジトリについて話をさせていただくこともあるかもしれませんが、その際には登録をご検討いただけないでしょうか。


機関リポジトリに関するご質問・ご要望等には随時お答えしていますので、ご質問等につきましては下記までご連絡をお願いします(ただし、博士論文の登録に関することについては各教育部の学務担当にお尋ねください)

[お問合せ先]

附属図書館 雑誌情報係

Tel:656−7586(内線6122)

Mail:journal@lib.tokushima-u.ac.jp


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