9月17日(火)、18日(水)は、図書館の一角が世界の最前線とリンクした日。
市民参加のまちづくりで世界の注目を集める米国オレゴン州ポートランドから、成功のキーマンであるスティーブ・ジョンソン博士をお招きして、2つのイベントを開催しました。
9月17日(火)は「電子ブックトレンド講演会(その3)ポートランドに学ぶ イノベーションへの挑戦 ―デジタル時代の市民参加」を開催。
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講演会の様子
9月18日(水)は、「ポートランドを自転車で走りボランティアして世界最先端を学ぶ− 全学共通教育後期授業『サービスラーニング-徳島を発信する』説明会」を開催しました。
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説明会の様子
このイベントは、後期の徳島大学全学共通教育「サービスラーニング-徳島を発信する」の関連イベントになります。
「サービスラーニング」とは「教室で学ばれた学問的な知識・技能を、地域社会の諸課題を解決するために組織された社会的活動に生かすことを通して、市民的責任や社会的役割を感じ取ってもらうことを目的とした教育方法」。つまり、自分が専門で学んでいることを活かして地域の課題を解決する、というもので、ボランティアとは少し異なります。
この講義の特筆すべき点は「サービスラーニング」を、「グローバル」に行うということです。海外の大学と連携してスカイプなどでコミュニケーションを取りながら講義をすすめ、課外授業として現地に行って活動する。この連携先として選んだのが、まちづくりの最先端をゆくポートランドなのです。
このポートランドからお招きしたスティーブ・ジョンソン博士は、市民参加のまちづくりを始めた立役者であり、今も自宅農園で学校を運営するなど様々な活動をされています。そんな方のお話を、ここ徳島で聞けるとは!
9月17日(火)、18日(水)とも、参加者は20人前後でしたが、こういった活動に興味を持つ、熱心な学生、一般の方が集まってくれました。
スティーブ・ジョンソン博士が語ったエッセンスをまとめるとこうなります。
- まちづくりに大切なことはまず、地元を知ること。
- 物語、ストーリーが大切。まちづくりに携わる人がビジョンを共有する。
- 今まではFacebookの時代。これからはゲームの時代。
- インターネットがソーシャルキャピタルの充実につながる。
- 力の強い者、権威、行政を待つのではなく、「自分」がまず動く。
(写真のキャプション)
「地元のことをどのくらい知っていますか?」
「スカベンジャー・ハント」(「くず拾い」という意味ですが、クイズやオリエンテーションなど様々な形があります)というゲームで徳島に関する知識を問われました。
説明会後の質疑応答で「(学生生活など)忙しい中でどうやって(まちづくりなどの)当事者になれるか。当事者意識を持つことができるか」という問いに対し「小さな活動が大事だという意識を持つことだ。大きなマスメディアに流されるニュースだけを見ていると気づかないけれど、小さな変革は起きている」と言われたことが印象的でした。
世界から注目される活動も、小さな一歩から。自分がまずは動くことで何かが変わる。
説明会の最後、博士は「みんな、ぼくの活動を引き継いでくれるかい?」と問いかけ、皆の「Yes!」という答えを聞いて「来年も徳島に来るよ!」と去って行かれました。
後期の授業「サービスラーニング-徳島を発信する」には、図書館職員も講師陣として参加します。サービスラーニングはまったくの門外漢ですが、専門知識を学んだり、ICTの活用方法を学んだりすることのお手伝いはできるはず。小さな一歩を後押ししていきたいと思います。