【す だ ち】徳島大学附属図書館報 第100号
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◇徳島大学附属図書館のこれから

徳島大学附属図書館 蔵本分館長 長篠博文

蔵本分館がリニューアルオープンしてから、ほぼ1年が経過しました。順調に利用者数が伸びているようです。以前の図書館は静粛に使用するもので、飲食などご法度、という利用の仕方しかありませんでしたが、本館・分館ともリニューアルによってラーニング・コモンズ、グループ学習室、リフレッシュコーナーが設置され、多様な利用が可能になりました。分館のラーニング・コモンズやグループ学習室も盛況のようです。グループ学習室やミーティングルームの使用は予約可能で、最初は受付カウンターに赴く必要がありますが、一度登録しておけば、ウェブサイトからでも予約できます。是非もっと多くの方々に利用していただきたいと思います。

私もミーティングルームを研究室のセミナーのために何度か利用してみました。ミーティングルームやグループ学習室には大型タッチパネルディスプレイ装置があってとても魅力的なのですが、多くの方々に活用していただくには、もう少し工夫して提供する必要がありそうです。それほど頻繁に利用しない者としては、使用方法を教えてもらっても、次回に使用するときには忘れてしまっているので、また教えてもらわないといけない。私のような者はその繰り返しになります。また、どんな利用法があるのかについての広報のやり方も工夫が必要でしょう。

もう教員が図書館に出かけて行って利用することはない、それでいいのだ、という考えもあるでしょう。しかし、図書館の側からすると、それはちょっとさびしい。教員の方々にも利用価値のある場でありたい。そのためにも利用法について工夫が必要のように思います。例えば、図書館のミーティングルームに行けば海外在住の共同研究者とすぐにミーティングができるとか、魅力的な利用法を提示したいものです。

「図書館」という名称は、情報の提供・入手が図書からに限られていた時代の名残です。現在は音声・映像各種メディアの時代を経て、電子化の波が押し寄せています。電子化への対応に遅れをとってはなりません。これまでは電子ジャーナル等の高騰化を円高の恩恵で、ある程度吸収してこられました。しかし、今後は為替変動の影響が危惧されます。大学図書館コンソーシアム連合での取り組みに期待します。

電子化に関しては、機関リポジトリの充実も課題です。これまでは学内紀要・国内雑誌掲載論文・欧文雑誌論文の抄録が中心でしたが、学位論文や、発表論文の著者原稿などの掲載に取り組んでいく必要があります。

紙媒体の図書も、特に学生用図書の充実には努める必要があるでしょう。教員だけでなく、学生の皆さんの希望にかなった図書の購入が進められています。最近ブックハンティングやWeb選書を実施して、ある程度の成果をあげていますが、まだまだ学生の皆さんの認知度は低いようです。これから益々盛んにしていただきたいと思います。


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