【す だ ち】徳島大学附属図書館報 第98号
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○附属図書館長の任期満了を前にして

平成24年4月1日付けで附属図書館長に就任しましたが、早1年となり、この3月末で任期満了となります。非常に短い期間ですが、図書館の運営につきましては、皆様のご支援とご協力を頂き深く感謝いたします。

在任中は、4月早々には全国の図書館関係者の協議会などに参加し、本当にいろいろなサービスや課題があることを勉強させていただきました。また、5月には蔵本分館のリニューアル式典があり、図書館長としてご挨拶させていただきましたことは、大変名誉なことでございました。改めて、関係者の方々にも、お礼を申し上げます。

さて、就任時の挨拶にも触れさせていただきましたが、大学附属図書館は、最新の学術情報を迅速に提供するとともに、膨大な量の図書情報を継続的に保存・管理する重要な役割を果たしており、大学における教育・研究を支える基盤組織の一つであります。近年の電子情報は爆発的に増加し、その情報管理は社会的な問題となっており、特に、学術情報の電子化は急速に進んでいます。この状況下において、本学附属図書館では、コアジャーナルおよび電子ジャーナルなどの整備・充実が推進され、教職員や学生が、教育・研究に必要な情報を迅速に取得できるようになりました。

就任当時は、これらの整備・充実に係る経費削減の取り組みを課題に挙げておりましたので、この機会に現状を報告させていただきます。この大きな課題に対しまして、JUSTICE(大学図書館コンソーシアム連合)が、平成23年4月1日に発足しています。また、その前身である国立大学図書館協会コンソーシアム(JANULコンソーシアム)時代の2001年には、ICOLC(国際図書館コンソーシアム連合)に正式加盟し、他国のコンソーシアムと意見交換を行っていますので、一つの大学図書館レベルではなく、少なくとも国内の大学図書館は、連携してこの課題に取り組んでいることになります。特に、2012年11月8日現在のJUSTICE参加館は530館で、出版社との交渉は、事務局職員など約20名の交渉チームで構成され、年に約140回(平成23年度実績)の交渉を行い、「プライス・キャップの引き下げ」、「バックファイル購入とカレント契約の包括的合意」、「現在のパッケージ契約に代わる新たな契約モデルの検討開始」などの成果をあげています。徳島大学におきましても、電子ジャーナルの一部は契約価格の上昇を抑制する政府調達契約を行っていますが、今後も、コンソーシアムと連携して、着実な成果をあげていく必要があります。

また、教職員と学生のみならず地域住民も学習できるラーニング・コモンズ、大学の学術的財産などの公開(機関リポジトリ)の取り組みは、浸透してきており、今後の継続的な推進に期待しております。さらに、本学図書館に保管されている歴史・文化的に貴重な資料情報を調査し、これらを維持管理するだけではなく、有効な活用手段を積極的に推進していただきたいと思います。具体的には、江戸時代に阿波・淡路両国を支配していた徳島藩及び蜂須賀家関係の史料が収蔵されており、近世古地図・絵図コレクションがあります。


最後になりましたが、新時代に適応できる図書館の実現をめざすためには、図書館職員の多大な努力の積み重ねに加えて、皆様方のご支援とご協力が今後とも必要不可欠ですので、どうか、よろしくお願い申し上げます。1年間ありがとうございました。


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