徳島大学附属図書館では、約4,400巻のマイクロフィルム、約7,700シートのマイクロフィッシュを所蔵していますが、ビネガーシンドロームによる酢酸臭がきつくなるなど、劣化が深刻な状態となってきました。
当館のマイクロ資料は,現在入手が難しいものや所蔵機関が少なく代替となる資料もないものがあることから、早急な劣化対策と修復・デジタル化が必要です。そこで、劣化対策について学長裁量経費を申請していたところ採択され、今年度は劣化対策の基礎資料とするため、全点劣化調査を行うこととなりました。
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大量の資料を持ち出すため、業者の方はジュラルミンケースを何個も運び込み、搬出作業を行っていました。
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マイクロフィルムを保管しているキャビネットを見てみると、劣化の進んだマイクロフィルムが放出する酢酸のため、キャビネットに錆が発生しています。搬出作業中も、強烈な酢酸臭が鼻につき、マイクロ資料室のある2階西閲覧室にまで臭いが広がってしまいました。
キャビネットの様子
約2か月の調査期間ののち、マイクロ資料は帰ってきました。業者からは、調査報告書とともに写真を添えて報告がありました。
ワカメ状になったフィルム
ひび割れたフィルム
私たちが想像していた以上に劣化は進行しているようです。今後は、この調査結果にもとづき、残すべき資料・廃棄すべき資料を選別し、残すべき資料については修復・デジタル化を行う予定です。
デジタル化して、データ登録等を行えば、これまで以上に利用が簡便になり、思わぬ資料を見つけることができるようになるでしょう。
いましばらくはご不便をおかけしますが、ご了承ください。