【す だ ち】徳島大学附属図書館報 第89号
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全学共通教育講義「iPadが開く新しい学びの扉」講義録

図書館では,今年度初めて開講するiPadを用いた全学共通教育の講義「iPadが開く新しい学びの扉」において,総合科学部吉田敦也先生からの依頼により,3コマを担当することになりました。


これがiPad

これがiPad

しかし,担当する職員は,iPadを触ったことがない・・・というわけで,4月の開講当初から,学生と混じって講義を受けつつサポートもする,という立場で参加させていただきました。

なお,この講義は,吉田敦也先生,斉藤隆仁先生,依岡隆児先生,図書館からは佐々木,溝木(技術サポート)が担当する共創型学習の講義となっています。




この講義では,

を大きな目標としています。


具体的にはiPadの設定,操作説明から始まって,講義用ホームページについて説明を受け,エバーノート,フェイスブックなどの使い方を学びました。実際にどんな風に使えるのか,ということで青空文庫のサイバー読書会なども行いました。


そしてついに,5/24,5/31,6/7。3回連続の図書館担当の講義です。

テーマは「図書館案内ツアーのコンテンツをつくる」。コンセプトは「学生目線の利用案内」です。

学生が見て“楽しそう”で“興味を引きそうな”ものになるように作ってください,と課題を出しました。

コンテンツは2グループで作成します。それぞれのグループは,「文庫グループ」「新書グループ」と命名されました。


図書館ツアー予行演習(5/17)の様子

図書館ツアー予行演習(5/17)の様子

 

第1回目(5/24)

この日は,実際に職員が図書館案内ツアーを行いました。

その間,学生はどんなコンテンツにするかを考えつつ館内の写真をとったり,職員に質問をしたり,という作業を行います。

次回までに,フェイスブックなどでやりとりをして,グループ毎にどんなコンテンツを作るか考えてきてください,

ということで第1回目の講義が無事終了。


 

第2回目(5/31)

各グループにどんなコンテンツをつくるか打ち合わせをしましたか?と聞くといずれのグループもしていないとの回答で,ちょっとがっかり。まだまだソーシャルメディアを使いこなせないようです。

とりあえず,バーチャルではなく,今ここで,講義の中でディスカッションをしてもらい,コンテンツのテーマを決めてもらいました。その結果

文庫グループ:普段図書館を利用していない利用者に,図書館の魅力を伝える。

新書グループ:普段自分たちの「見ることができない図書館」を伝える。


というテーマが決まりました。

その後,図書館職員が,サンプルとして作成したパワーポイントの利用案内をプレゼンし,どんなツールを使って作るか,どうやってデータを共有するか,など技術的な部分についてもアイディアを出し合いました。


第3回目(6/7)


ちゃんとコンテンツができるのだろうか・・・と心配していましたが,講義が始まる前に講義用ホームページをチェックしてみると,データがアップされていて,一安心。

講義では,このコンテンツについてプレゼンをしてもらいました。

文庫グループは,学習環境に焦点をあて,グループで勉強できる場所と一人静かに勉強できる場所についてそれぞれの使い勝手のよさをアピールしてくれました。

新書グループは,和装本資料室や貴重資料室という,普段入ることのできない場所とその資料について紹介し,自分が他の講義で学んだことと関連してこれらの資料の大切さをアピールしてくれました。


職員としては,まずまずのものができた,と感心しましたが,先生方からは,「俯瞰的な視点もいいが,個人的な意見を出したもの,アリの視点の方が人に届く,説得力がある」「自分の視点をいれたり,自分の疑問を掘り下げるとよい」というアドバイスがありました。


ということで何とか講義の目標もクリアし,無事3回の担当が終了しました。


この講義を担当する中で,iPadの使い方など,技術的なこともたくさん学びましたが,それよりも,先生方の講義の進め方や指導の視点など,「何を教育するか」という本質的な部分に触れたような気がします。


あとは,ここで得たものを,どう図書館から利用者の皆さんに提供するか。

とりあえずは,iPadを使った講習会の開催を計画中です。時期は未定です・・・。


このような機会を与えていただいた吉田先生,毎週1時間半,職場を離れる状態に協力してくれている図書館職員の皆様,ありがとうございます。前期もあと少し,そして後期もたぶん担当しますので,何卒よろしくお願いします。


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