【す だ ち】徳島大学附属図書館報 第87号
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附属図書館長就任にあたって

この度、附属図書館長を拝命いたしました青江順一(大学院ソシオテクノサイエンス研究部・教授 併任)と申します。就任にあたり、この場をお借りして、ご挨拶させていただきます。


大学附属図書館は、最新の学術情報を迅速に提供するとともに、膨大な量の図書情報を継続的に保存・管理する重要な役割を果たしており、大学における教育・研究を支える基盤組織の一つであります。近年の電子情報は爆発的に増加し、その情報管理は社会的な問題となっており、特に、学術情報の電子化は急速に進んでいます。この状況下において、本学附属図書館では、コアジャーナルおよび電子ジャーナルなどの整備・充実が推進され、教職員や学生が、教育・研究に必要な情報を迅速に取得できるようになりました。これらの整備・充実は、他大学への文献依頼の経費を削減できる効果がありますが、電子ジャーナルは海外出版社が市場を独占しているため、学内の共通経費負担は多くなってきています。今後、電子情報はますます増加することが予想されますので、本学附属図書館における種々のサービスの費用対効果を評価し、情報技術(IT)を活用することで改善していくことが重要と考えています。また、学生・教職員のみならず地域住民にも有用な情報を効率的に提供できる図書館を目指したいと考えています。今後1年間では、過去の基本路線を維持しつつ、以下の課題に取り組む所存です。

(1)電子ジャーナル、学術文献データベース、電子書籍などを整備・充実させると同時に、海外出版社との全国規模での統括契約などの状況を調査することで、経費削減への施策に積極的に参加したいと思います。

(2)学生図書については、学生一人当たりの図書購入費は他大学と同等になったところであり、今後は学習環境の整備と連携することで充実を促進したいと思います。

(3)教職員と学生のみならず地域住民も学習できるラーニング・コモンズ、大学の学術的財産などの公開(機関リポジトリ)の取り組みを推進したいと思います。

(4)本学図書館に保管されている歴史・文化的に貴重な資料情報を調査し、これらを維持管理するだけではなく、有効な活用手段を積極的に推進したいと思います。具体的には、江戸時代に阿波・淡路両国を支配していた徳島藩及び蜂須賀家関係の史料が収蔵されており、世古地図・絵図コレクションがあります。


以上の課題に取り組むことで、本学附属図書館の中期目標・中期計画を達成するとともに、新時代に適応できる図書館の実現をめざしてゆきたいと考えていますので、皆様方のご協力をよろしくお願い申し上げます。


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