菜の花や月は東に日は西に
弥生といえば菜の花 菜の花といえば この俳句ですね。菜の花を月と太陽の中心においた蕪村の絵画的で写実的な作風をあますところなく表現しています。
彼の自然観は,画人としてもスケールの大きさとおおらかさを生きた人生から生み出されているのかもしれません。
春の海ひねもすのたりのたりかな
春の蕪村に対して 芭蕉の俳句は, 対照的に秋の詩心がたっぷりです。
秋深き隣は何をする人ぞ 物言えば唇さびし秋の風
四季折々を詠みながら,どこか作者の人生観や境遇を感じる十七文字の世界にその深さを感じますね。
「風船」 「ブランコ」 「しゃぼん玉」は,すべて春の季語です。
うららかな日差しの中で無心に遊ぶ子供たちの姿に春を感じます。
今,あなたの心は春でしょうか? そして図書館で,四季を感じる感性を磨くことができたら,どんなに豊かな気持になることができるでしょうか?
早春の 図書館訪ね 四季めぐり
さて,弥生三月は,卒業や転勤などの別れの時期でもあります。
わかるるや一鳥啼いて雲に入る 永き日やあくびうつして分れ行く
明治28年に松山中学に英語教師として赴任した漱石が,わずか1年で熊本第五高等学校教授として転出する時に詠んだ句。「坊っちゃん」の江戸っ子気質のユーモアと「松山」に対する心情を感じますね。
卒業の 君が門出の 別れかな
もうすぐ卒業ですね。大学時代,学生のあなたにとって図書館はどのようなものであったでしょうか? 読書や学習だけでなく,友と待ち合わせをしたり,語らいの場であれば更に,図書館が思い出の中で輝きます。
卒業のアルバムの中に,図書館があれば嬉しい限りです。
卒業しても,町の図書館を利用してください。もちろん大学図書館も社会人のあなたを待っています。
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