【す だ ち】徳島大学附属図書館報 第34号
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○短期連載:今日の学術機関リポジトリの動向

(2)国内の学術機関リポジトリの動向について

前号の第33号(2007/10/19)から3回の予定で学術機関リポジトリについてその最近動向や方向などを紹介しています。第2回は,わが国における学術機関リポジトリについて紹介します。

●国内の学術機関リポジトリの歴史
わが国における学術機関リポジトリ構築への取り組みは,2005年2月に正式運用を開始した“千葉大学学術成果リポジトリ”(CURATOR)がその最初とされています。それに先立つ2003年5月,国立大学図書館協議会において「電子図書館の新たな潮流」
( http://www.soc.nii.ac.jp/janul/j/publications/reports/74.pdf )がまとめられ,その中で学術機関リポジトリによる学内学術情報の発信強化が提言されていました。
そして2005年から開始された国立情報学研究所(NII)の「次世代学術コンテンツ基盤共同構築事業」( http://www.nii.ac.jp/irp/ )により,国内大学の学術機関リポジトリの構築事業が進められています。国立情報学研究所の纏めによれば,2007年10月現在国内で公開されている学術機関リポジトリの数は65となっています(http://www.nii.ac.jp/irp/info/list.html )。1年前は約20でしたので,その急増ぶりがお分かりいただけるかと思います。
この増加ぶりは,国内だけのものではありません。Registry of Open Access Repositories(ROAR)(http://roar.eprints.org/ )に掲載されている学術機関リポジトリの数は2007年11月現在で950を超えていますが1年前はおよそ750でした。このことから,学術機関リポジトリの構築が世界的な流れになっているのが読み取れます。

●主な国内の学術機関リポジトリ
前述のとおりわが国の学術機関リポジトリは60以上ありますが,その中のいくつかをご紹介します。

☆北海道大学学術成果コレクション(HUSCAP)
http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/
大学によっては学術機関リポジトリに親しみを持ってもらうため愛称を付けている所もあります。北海道大学では,地元の名産品にちなんだ愛称を付けています。

☆ 千葉大学学術成果リポジトリ(CURATOR)
http://mitizane.ll.chiba-u.jp/curator/
前述しましたように国内における学術機関リポジトリの草分け的存在です。現在コンテンツ数は1万を超えています。

☆金沢大学学術情報リポジトリ(KURA)
http://dspace.lib.kanazawa-u.ac.jp/dspace/
「このサイトについて」でリポジトリの目的や関連資料等を詳しく示しています。

☆岡山大学学術成果リポジトリ
http://www.lib.okayama-u.ac.jp/eprints/
「地域の中の岡山大学学術成果リポジトリ(地域・国内向け)」→「利用統計」とすると,「年・月別の利用統計」や「国別の利用統計」を見ることができます。

☆広島県大学図書館共同リポジトリ(HARP)(実験公開中)
http://harp.cc.it-hiroshima.ac.jp/dspace/
地域の国公私立大学による共同リポジトリです。小規模大学でもリポジトリを持て単独より世間の目に触れる機会が増えるといったメリットが期待されています。

その他の学術機関リポジトリもそれぞれにユニークな特長をもった情報発信を行っています。はじめに紹介した国立情報学研究所のリスト( http://www.nii.ac.jp/irp/info/list.html )がリンク集になっていますので,そちらからご覧ください。

次回は学術機関リポジトリを構築する際の疑問点等についてご説明する予定です。


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