「Web of Science」(学術情報データベース)の導入が決定


「Web of Science」(トムソン・サイエンティフィック社)は引用文献検索機能を持つ学術情報データベースで、本誌NO.3(4月)で既報のとおり類似の「Scopus」(エルゼビア社)との比較・導入を検討していたものです。

検討にあたっては、概算要求の趣旨に鑑み、また全学的なコンセンサスを得るため、図書館にアドホックな「学術情報データベース検討委員会」(情報担当学長補佐、自己点検評価委員会副委員長、モニター利用の担当教員、附属図書館分館長などで委員を構成)を設置しました。分館長を委員長として、モニター利用の報告、機能・データ等を比較・検討の結果、本学の研究基盤整備に相応しい学術情報データベースとして「Web of Scienceが適当」としたもので、1995年以降のバックファイル10年分を含むものです。

「Web of Science」は、すでに多くの国立大学等で導入され、書誌や引用文献のデータベースあるいはナビゲーション・システムとしての有用性は認知されているところで、図書館では、これまでも各方面へ導入を働きかけてきました。そのような中、昨年11月には、類似のデータベース「Scopus」がリリースされました。この種のデータベースを切望するユーザにとって、選択幅の広がりは大いに歓迎されます。しかし、経費は現状以上に必要となることに変わりはありません。とりわけ「Web of Science」では初期導入費が高額(バックファイルによる)なため学内予算の遣り繰りでは、およそ導入は困難と思われていました。

この状況が一挙に解決されたのは、導入推進への大学本部の強い意思であり、その現われとしての概算要求による新規予算の獲得でありました。これにより、本学の第一期基本計画における「学術研究の評価手段の整備」が実現される運びとなりました。

なお、概算要求は平成19年度までの3年を計画期間としています。したがって、20年度以降維持するのであれば経費の捻出方法など、あらためて検討することになります。その間、多くの研究者・院生・学生の方々に本データベースを充分に利用し、評価していただきますようお願い致します。
また、利用開始は事務手続きのため、「10月」頃を予定していますが、なるべく早期に提供できるよう運びたいと考えています。進展があり次第、本誌等でご案内致します。