読書のすすめ(「新入生にすすめる私のこの一冊」) 2016.4.1


附属図書館長 吉 本 勝 彦

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。現在は大学生活への大きな期待と少しの不安が交錯している時期と思います。

最近、大学生は本を読まないと言われています。大学の教員や先輩による本指摘は、学生時代にこそ読書すべきであったという後悔の言葉です。皆さんには、自分の専攻分野以外の読書を勧めます。この専攻分野以外の読書が血となり肉となって自分の専門分野を極めることにつながります。読書の際、内容が異なるものを2冊用意して同時並行で読むのも一つの方法です。例えば、「気合いを入れないと読めない本」と「気楽に読みこなせる本」を、その時の状況や気分に応じて読み進めると良いでしょう。時間がなければ、就寝前の30分を読書に充てて下さい。本を読みながら、いつのまにかウトウトと眠気に襲われ、本を持ったまま眠りにつくかもしれません。ちなみに、104歳になる現役医師・日野原重明先生は、医学生のためのベッドサイド・ライブラリーとして,20冊の本を推薦しています(だから医学は面白い―幻を追い続けた私の軌跡、日本医事新報社、2014年9月)。まずは大学入学をきっかけとして、読書を生涯継続する習慣としましょう。習慣とするには、「必ず週に1冊本を読む」と友人などに宣言し、自分のやる気を引き出すことが有効です。試してみませんか。

毎年、附属図書館では学生さんに「ブックハンティング」や「Web選書」で好きな書籍を選んでもらっています。推薦された書籍は図書館で購入し配架しています。また、おすすめの一冊を持ち合い、本の魅力を紹介しあう「ビブリオバトル」を実施したり、一部の学部では新入生に対し、「読書レポート」を課しています。これは課題図書や推薦図書に対して意見を書き、それに対して教員がコメントを付して返却するものです。

自分の考えは、書くことによって整理でき、推敲することで段々頭の中でまとまってきます。文章を書くためには読書によって知識を仕入れ、頭の肥やしにすることが重要です。この経験はレポート作成や論文作成をする際に役立ちます。新入生の皆さん、勉学、サークル活動、趣味に、さらに読書にも積極的に関わり実りある大学生活を送ってください。


※「新入生にすすめる私のこの一冊」」は,徳島大学の教職員が推薦する本を紹介した冊子です。PDFはこちらをご覧ください。

新入生にすすめる私のこの一冊(平成28年度)