『蜂須賀家家臣成立書并系図』について


蜂須賀家家臣成立書并系図


「蜂須賀家家臣成立書并系図」は、徳島藩士各家が代々の家督相続者について、召出・相続・隠居・死亡の期日、禄高、役職及び系図・家紋などを書き上げ藩庁に提出した歴資的価値の高い資料です。天保5(1834)年に作成され、その後文久元(1861)年に書き継いだものが大部分ですが、一部寛政年間や明治期に書かれたものを含みます。

提出者は家老などの重臣から無足人と呼ばれる下級家臣までのすべてに渡りますが、重臣の家譜にあたるものは、現在も蜂須賀家が所蔵し、最下級の家臣についての部分は国文学研究資料館に収蔵されています。徳島大学で所蔵しているのは、蜂須賀家が所蔵していたもののうち、最上級と最下級を除く、いわば家臣団の中核にあたる1,802家の家譜であり、近世における国持大名家臣の様相について、多様な情報を有する貴重な資料です。収蔵時は各家譜ばらばらの状態でしたが、収蔵後に裏打ちや和装を施すなど長期保存のための処置を行い、家中1,802家を50音順配列にして249冊に分け整理、保存し、『蜂須賀家家臣成立書并系図』として命名しました。

また、複製した製本及びマイクロフィルム化した資料も所蔵しています。貸出はできませんが、閲覧、複写が可能です。複製資料については平成17年度科学研究費補助金(研究成果公開促進費)による近世大名(蜂須賀家)家臣団家譜史料データベース事業において作成しました。

(昭和56(1981)年度受入、本館貴重資料室収蔵)